はじめての出産


はじめての出産は
死を予感するほど、不安いっぱいでした

私の出産は、そんな体験でした。

でも、「案ずるより産むが易(やす)し」
ということわざがあるように、
出産後、日常生活に戻ると、
愛らしい男の子を、毎日、毎日、可愛がり、
いつも一緒に過ごすことが当たり前の日々になったのです。

やがて、二度目の出産。
妊娠4か月目の受診で、双子とわかり、
いきなり「ハイリスク出産ですね」と告げられたことに、
衝撃を受けました。

その瞬間から出産日まで、
私は、雲の上をフワフワとさまようような気持ちで過ごしました。

長男の可愛い笑顔も、にじんで見える時期でした。

妊娠6か月に入るころには、
実家の前の小さな坂道さえも、息切れがして歩いて登れなくなり、
夜は、上体を起こした姿勢で寝る生活が続くようになりました。

こんなに日々がつらくて、
早く産まれてほしい、早くスッキリしたい、
とばかり考えるようになっていました。

母子分離は、子宮のなかで準備される?

いま振り返ると、
なんと貴重な体験をしたのかと、思わずにいられません。

ふたつの命が、お腹の中で元気良く動き回り、
わき腹から小さな足やひじ、
頭の形がはみ出ることが、数か月も続きました。

「今のは、ひじかな? あれ? 足かも知れない」
「早く会いたいなぁ」
という気持ちが湧き上がってきます。

そうかと思うと、
早くスッキリしたい~、もうイヤ~
という気持ちでいっぱいになったりするのです。

子宮の中のかけがえの無い命を
愛おしむ気持ちと、
遠ざけようとする気持ちの間で、
揺れ動きました。

思えば、母子分離は、
妊娠中から準備されているのかも知れません。

ハイリスク出産と言われ、
繊細で微妙な不安を誰にも相談できないまま妊娠期をすごし、
長子と同様、帝王切開で双子が誕生しました。

ここから始まった孤軍奮闘の子育てのなかで、
「チャイルドマインダーは、子育てに必要不可欠な存在」
という気持ちが芽生えました。

出産と不安――
この切実な体験は、やがて、私の信念に変わっていったのです。(K.N)